展覧会 次回展覧会 これまでの展覧会 [終了] 平成14年度企画展 当世茶湯批判 館蔵 茶書の歴史Ⅲ 前期 2002年4月1日(月)-7月12日(金) 休館日/土曜(但し第四土曜日を除く)、日曜、祝日 開館時間/午前10時〜午後1時、午後2時〜午後4時30分(入館は4時まで) 入館料/300円 会場/齋田記念館 展示室 館蔵品により茶書の歴史を通覧するシリーズのパートⅢでは、元禄以後の流れを考察致します。 元禄期(1688-1703)の大衆文化の隆盛は茶湯の遊芸化をもたらし、『南坊録』にあるように、茶湯が盛んになり却って茶の道が廃れたような状況でした。それは様々な批判の動きを生み出し、江戸中期以降特に盛んになって行きます。 三谷宗鎮(1665-1741)は、批判を通して茶湯を見直そうとその原点を中国に求め、利休回帰を激しく訴え既述の茶書をも批判したのは薮内流5世・薮内竹心(1678-1745)でした。これら復古的な主張は『茶経』への懐古を促し、新たに煎茶の流行へと展開して行きます。 煎茶の祖と言われる売茶翁高遊外(1675-1763)は、『煎茶早指南』に於いて茶聖利休に対し茶神、つまり陸羽の再来と目された人物でした。煎茶は、元文3年(1738)の新製法の考案で急速に広まりますが、抹茶批判はその後の煎茶道を貫くものでした。 また、茶湯では、寛保(1741-1743)頃、表千家の如心斎(1705-1751)とその弟・裏千家の又玄斎(1719-71)を中心に「七事式」が制定されます。それは、茶湯人口の急増による教授者養成を建前に、家元制度の形成に向かう潤滑剤となりましたが、茶湯の精神的側面を失わせていきました。こうした新発展の様子はまた、現代の茶湯のあり方を考える一助ともなるでしょう。 本展では、前期は「当世茶湯批判」として竹心の煎茶を中心に、後期は「千家中興」として七事式を中心に展示致します。