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開館5周年記念特別展

描かれた茶の世界

～太田記念美術館所蔵浮世絵に見る～

2003年10月20日(月)-11月14日(金)

　茶文化の振興を目的に開館した齋田記念館は、文献資料を中心に茶に関する展示活動を行って参りました。本年は、開館5周年を迎えるのを記念し、絵画資料である浮世絵により近世の喫茶文化の諸相をご紹介します。
　飲茶の風習は奈良時代に中国から伝えられ、その薬効が謳われ、宗教性、遊戯性を持ちつつ、近世に入ると茶道として我が国独自の展開を見せます。しかし、喫茶はいかなる形であれ瞬時のものであり、当時の状況を知る為に、我々は残された書物や道具を通し想像するしかありません。これに比して、市井に生きる人々の生活や風俗を写し出した浮世絵には、その様子が活き活きと再現されています。
　本展は、鈴木春信(1725?-1770)、葛飾北斎(1760-1849)、歌川広重(1797-1858)、歌川国貞(1786-1864)等によって描かれた茶湯や水茶屋、茶園の風景等浮世絵版画約20点と関連の茶書で、江戸時代の喫茶風俗の姿を捉えようとするものです。また、併せて当館所蔵の狩野甫信(1692?-1745)筆「製茶絵巻」を特別公開します。
　江戸開府400年というこの年に、日本文化を代表する“お茶”と浮世絵の競演をお楽しみ下さい。