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平成15年度企画展

館蔵 近世絵画

～齋田雲岱の博物図譜を中心に～

2003年11月27日(木)-2004年2月13日(金)

　この展覧会では、齋田家に伝来、収集された作品の中から齋田雲岱(1807-1858)の描く博物図譜と、菊池容斎(1788-1878)等同時期の代表的な画人の作品を中心に約30点を展覧致します。
　本年は江戸開府400年目に当たり、今までの江戸という時代に対する評価を見直す作業が行われています。江戸も後期になると、うち続く泰平の世にはぐくまれ、経済は発展、教育は庶民にも広く浸透し、高度な手作り文化も生まれていました。その豊かさや秩序、人々の満足感は、幕末に日本を訪れた外国人を驚嘆させる程でした。当時流行した博物学に魅せられて筆を執った雲岱は、正にその時代の文化の担い手たる一人であったのです。
　雲岱の美術品ともいえる驚く程詳密な写生画の数々は、江戸の、好奇心に満ちた庶民文化とそのエネルギーの一端を垣間見せてくれています。我々はこの、世界に誇るべき伝統から今日に生かすべき何かを学ぶ事が出来るかもしれません。