展覧会 次回展覧会 これまでの展覧会 [終了] 平成17年度企画展 近代数寄者の茶湯 館蔵 茶書の歴史Ⅶ 『大正名器鑑』を中心に 2005年4月1日(金)-7月29日(金) 休館日/土曜(但し第四土曜日を除く)、日曜、祝日 開館時間/午前10時〜午後1時、午後2時〜午後4時30分(入館は4時まで) 入館料/300円 会場/齋田記念館 展示室 館蔵品により茶書の歴史を通覧するシリーズのパートⅦでは、大正期の茶湯の状況を考察いたします。 維新により衰退した茶湯を先導したのは、近代数寄者と呼ばれる一群でした。彼らは、文明開化を担った新興政財界人で、第一次世界大戦による未曾有の好景気を迎えた大正時代に最も活躍しました。その経済力はモノ数寄を不可避とし、美術品や道具の蒐集から茶湯を始め、あくまで趣味として楽しみました。その為、精神性や形式にとらわれず自由闊達で、名物主義に貫かれていました。 社交や美術鑑賞の場として茶湯を再生させた数寄者たちは、既成の枠を広げて、自ら道具を選び、趣向を考え、懐石とその材料すら作り、茶室を設計し、茶の文学をつづり、茶湯全体に一貫した美意識を表現しました。その茶会記は、当時漸く読まれるようになった新聞紙面を賑わす程で、茶湯は次第に日本文化の中核を成すに至りました。 本展では、『大正名器鑑』の他、近代茶会記中最大規模を誇る箒庵の『東都茶会記』や『大正茶道記』、野崎幻庵(1857-1941)の『茶会漫録』等約50点を展覧致します。茶湯史上一線を画す数寄者の時代をご堪能下さい。