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開館10周年記念特別展

商家の茶道具

～名古屋市博物館所蔵「東松コレクション」から～

2008年11月10日(月)-12月19日(金)

　名古屋は東西文化の交流地であり、芸どころ、茶どころとしても知られています。江戸時代に名古屋城下に隣接する広井村において油屋を営んだ東松家は、明治期には個人銀行を業とし、多くの茶道具を所蔵しました。また、当時の住宅は重要文化財として明治村に保存されています。
　尾張では、名古屋開府以前より織田家を中心に茶湯が行われていました。名古屋城築城後は、武家茶に加えて、裕福な商人たちによる町方の茶も発展をみせます。明治維新後の衰退期にも、名古屋においては茶湯は盛んでした。関東大震災後に名古屋に疎開した益田鈍翁は、同地の茶人たちとの親交を深め、触発された若手数寄者、茶匠たちが活躍します。また、現在抹茶の生産量日本一を誇るのは愛知県西尾市です。古来より政治経済の要衝であった名古屋は、このように茶道史上においても、常に重要な地域となっています。
　東京での初公開となる本展では、利休の竹花入など、名古屋市博物館所蔵の東松家旧蔵茶道具の優品を展示し、近代尾張の茶湯の姿をご覧頂きます。2010年は名古屋開府400年にあたり、さらに本年は奇しくも、名古屋の代表的近代数寄者である森川如春庵が大々的に紹介されたこともあり、名古屋の地とお茶に注目が集まっています。本展が名古屋の茶湯を理解する一助となりますよう祈念いたします。