2026年 春季絵画展
美しき水の七変化
Various Depictions of Water
2026年4月1日(水)~7月17日(金)
休館日/土曜(但し第四土曜日4/25、5/23、6/27は開館)、日曜、祝日
開館時間/午前10時〜午後4時30分(入館は4時まで)
入館料/一般:500円 小・中学生:無料
障碍者・75歳以上・高・大学生および会期中の再来館:400円
会場/齋田記念館 展示室
[イベント]学芸員によるギャラリー・トーク
4/24(金)、5/25(月)、6/26(金) 午後2時~
開館時間/午前10時〜午後4時30分(入館は4時まで)
入館料/一般:500円 小・中学生:無料
障碍者・75歳以上・高・大学生および会期中の再来館:400円
会場/齋田記念館 展示室
[イベント]学芸員によるギャラリー・トーク
4/24(金)、5/25(月)、6/26(金) 午後2時~
川合 玉堂 筆 「瀑布」
かわい ぎょくどう ばくふ
大正~昭和時代(20世紀)
絹本墨画・1幅
圧倒的な水量で勢いよく直下する瀧の水。
あくまでもシンプルに、左上の岩肌と、落下する水のみを描く。
立ちのぼる水煙をも感じさせ、清涼感をもたらす。
伝統的な水墨画の技法によりつつも、何ともモダン。
円山応挙をはじめ歴代瀧を描いた画家は多いが、
瀧壺や周囲の木々も描いており、
これほどにシンプルな作は稀である。
水の描写を得意とした玉堂の画技が遺憾なく発揮される。
川合玉堂(1873~1957)は、愛知に生まれ、
京都に出て四条派の画を学び、
後に東京の橋本雅邦の下で狩野派を学んだ。
詩情豊かな風景画に秀で、東京美術学校教授を勤めた。
昭和19年、太平洋戦争の激化により御岳(現・東京都青梅市)に疎開し、晩年は奥多摩の多摩川のほとりに暮らした。
あくまでもシンプルに、左上の岩肌と、落下する水のみを描く。
立ちのぼる水煙をも感じさせ、清涼感をもたらす。
伝統的な水墨画の技法によりつつも、何ともモダン。
円山応挙をはじめ歴代瀧を描いた画家は多いが、
瀧壺や周囲の木々も描いており、
これほどにシンプルな作は稀である。
水の描写を得意とした玉堂の画技が遺憾なく発揮される。
川合玉堂(1873~1957)は、愛知に生まれ、
京都に出て四条派の画を学び、
後に東京の橋本雅邦の下で狩野派を学んだ。
詩情豊かな風景画に秀で、東京美術学校教授を勤めた。
昭和19年、太平洋戦争の激化により御岳(現・東京都青梅市)に疎開し、晩年は奥多摩の多摩川のほとりに暮らした。
竹内 栖鳳 筆 「潮沙和暖」
たけうち せいほう ちょうさわだん
大正時代(20世紀)
絹本著色・1幅
霞棚引く穏やかな春の海に漂う小船。
東洋の伝統的な縦長の画面に、海を俯瞰し、手前の小船から沖の小船へと遠近感のある洗練された構図が展開する。
この透明感を湛えながら美しく輝く海の青の色彩は、
竹内栖鳳の大正期の作品に集中して見られ、
おそらくは良質の青の岩絵具を入手した悦びから、
それを活かした作品制作に挑んだか。
竹内栖鳳(1864〜1942)は、京都生まれで、
幼い頃から絵を好み、四条派の幸野楳嶺に入門。
明治33年(1900)の渡欧後は、
それまでの日本画にない光や空気の表現に挑戦した。
東洋の伝統的な縦長の画面に、海を俯瞰し、手前の小船から沖の小船へと遠近感のある洗練された構図が展開する。
この透明感を湛えながら美しく輝く海の青の色彩は、
竹内栖鳳の大正期の作品に集中して見られ、
おそらくは良質の青の岩絵具を入手した悦びから、
それを活かした作品制作に挑んだか。
竹内栖鳳(1864〜1942)は、京都生まれで、
幼い頃から絵を好み、四条派の幸野楳嶺に入門。
明治33年(1900)の渡欧後は、
それまでの日本画にない光や空気の表現に挑戦した。
【当館初公開】
渡邊 省亭筆 「向島雪景色」
わたなべ せいてい むこうじまゆきげしき
明治30年(1897)頃
絹本著色・1幅
一面の雪景色のなか、墨田川のほとりの向島に立つ二人の女性。
左の女性は御高祖頭巾(おこそずきん)の隙間から目元がのぞくのみだが、右の女性は引目鉤鼻(ひきめかぎばな)に口の紅が鮮やかな省亭らしい美人画である。
紋付の羽織を着ているように見え、雪の日にわざわざあらたまって
この先の三囲神社にお参りしようというのか。
隅田川の川面と曇天の空を微妙な墨調の変化によって遠近感をもって描き出し、降り積もった雪は絹地の白を塗り残して、
冷たい湿度感をみごとに表す。
昭和42年、美術コレクターの福富太郎(1931~2018)が、
鎌倉の鏑木清方(1878~1972)邸を訪ねた際に、
床に掛かっていたのは省亭の「雪の向島を背景にお高祖頭巾の女性二人を配して、いかにも江戸情緒が漂う一図」だったと記しているのが、おそらくは本作であろう。
渡邊省亭(1851~1918)は、歴史人物画家として著名な菊池容斎の門下で、明治11年のパリ万博に日本画家として初めて渡欧。
洋風の写実表現を加味した花鳥画に秀でたが、
一方で本作のような江戸情緒あふれる美人画も多く手がけた。
左の女性は御高祖頭巾(おこそずきん)の隙間から目元がのぞくのみだが、右の女性は引目鉤鼻(ひきめかぎばな)に口の紅が鮮やかな省亭らしい美人画である。
紋付の羽織を着ているように見え、雪の日にわざわざあらたまって
この先の三囲神社にお参りしようというのか。
隅田川の川面と曇天の空を微妙な墨調の変化によって遠近感をもって描き出し、降り積もった雪は絹地の白を塗り残して、
冷たい湿度感をみごとに表す。
昭和42年、美術コレクターの福富太郎(1931~2018)が、
鎌倉の鏑木清方(1878~1972)邸を訪ねた際に、
床に掛かっていたのは省亭の「雪の向島を背景にお高祖頭巾の女性二人を配して、いかにも江戸情緒が漂う一図」だったと記しているのが、おそらくは本作であろう。
渡邊省亭(1851~1918)は、歴史人物画家として著名な菊池容斎の門下で、明治11年のパリ万博に日本画家として初めて渡欧。
洋風の写実表現を加味した花鳥画に秀でたが、
一方で本作のような江戸情緒あふれる美人画も多く手がけた。