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茶書にみる松平不味の茶の湯

齋田記念館 開館20周年 秋季企画展 
松平不昧公 没後200年

茶書にみる松平不昧の茶の湯

[特別出品]不昧公ゆかりの麻布・天真寺の釜と禅板

2018年9月18日(火)~12月22日(土)    

前期:9月18日(火)~11月2日(金)
後期:11月5日(月)~12月22日(土)
*天真寺蔵の釜と禅板は、前期のみの出品となります。
 齋田記念館の母体である齋田家は、江戸後期から代田村の名主をつとめ、明治期には、この地に広大な茶園を造営して製茶業で栄え、その茶は国内外の博覧会で受賞を果たすなど高い評価を受けました。このように、茶との関わりが深い齋田家は、我が国の茶文化の振興に寄与することを願って、平成6年(1994)に齋田茶文化振興財団を設立、平成9年(1997)に齋田記念館を開館し、お陰様で本年開館20周年を迎えることができました。
 この度は、20周年記念展の第2弾として、当館のコレクションの核である“茶書(茶の湯に関わる文献資料)”より、本年、没後200年を迎えた大名茶人、出雲国(今の島根県)松江藩主の松平不昧公(1751~1818)の茶の湯をテーマに企画展を開催いたします。当館所蔵の不昧公ゆかりの茶書や書画、茶臼などに加えて、本展の前期には、不昧公が参禅した麻布・天真寺の大巓和尚との親交を物語る釜と禅板を特別出品し、不昧公の茶の湯と人々との交流を読み解きます。また、当館の誇る茶書の優品、千利休の愛弟子・山上宗二が記した『山上宗二記』(高野山安養院宛本)もあわせて公開し、歴代の茶人が見出した名物道具の価値観の変遷にも迫ります。

■主な出品作品

出品リストのダウンロードはこちらから→
茶書にみる松平不味の茶の湯

茶臼 銘「呉竹」

ちゃうす めい くれたけ

松平不昧伝来 江戸時代 齋田記念館蔵

 葉茶を挽き、抹茶を得るための石臼。茶入(ちゃいれ)や茶碗などの道具は、茶席で用いる言わば表の道具だが、茶臼は準備に用いる裏の道具であり、茶会記などのへ記載もほとんど見られない。
 しかしながら、この茶臼は「呉竹」の銘まで与えられ、付属品も美しく調えられ、道具を愛し大切にした不昧ならではの心入れが感じられる。茶臼は、縁に朱漆を施した爪紅(つまぐれ)の漆箱の中に仕組まれ、漆箱の前面には挽木(ハンドル)や抹茶を取り出すための掃出口等をしまう引出しがつき、機能的である。茶臼の直径は14㎝と小型で個人用に相応しく、挽木座には三重菱の装飾がつき、臼面は八分割され規則正しく目が刻まれている。
茶書にみる松平不味の茶の湯

佛 陀 常 住 文 字 丸 釜

ぶっだじょうじゅうもんじまるがま  港区指定文化財  (前期のみ) 

松平不昧書・下間庄兵衛味次作 安永2年(1773) 佛陀山天真寺蔵
  

 不昧の書で、胴の一方の側面に「佛陀」、もう一方に「常住」と鋳造された丸釜。付属の釜師による添書と、天真寺の大巓宗碩の箱書により、不昧の注文指示を受けて、京都の釜師・下間庄兵衛味次が安永2年8月に制作し、翌年4月に大巓宗碩に贈られたことがわかる。
 下間庄兵衛は、名越三典浄味の門から出た京釜の名工。下間庄兵衛味次(?~1800)は、その二代目。
 「佛陀常住」という言葉には、佛陀の教えはこの世にあり続けるという禅の教えと、佛陀山天真寺の常住釜という二つの意味が込められているのだろう。
茶書にみる松平不味の茶の湯

『大崎御住居中御茶事御道具懐石附』 

天保11年(1840)奥書 写本・1冊 齋田記念館蔵

 内題には、「大圓庵様御茶事御道具附写 文化三寅年 同号一四丑年十月迄」とあり、不昧による文化3年(1806)5月15日の大崎園の御席披から文化14年(1817)10月28日までの207会の茶会を記す。天保11年(1840)2月の奥書があり、「田口図書」や森川如春庵の印が捺される。
 客は、江戸の伏見屋甚右衛門、本屋惣吉、大坂の谷松屋権兵衛、京都の谷松屋貞八など不昧贔屓の道具屋が多く、柳沢堯山などの大名、芳村観阿などの数寄者、円覚寺の誠拙周樗(せいせつしゅうちょ)や天真寺の東陽宗冕(とうようそうべん)や一止宗正(いっしそうせい)などの禅僧も招かれている。
茶書にみる松平不味の茶の湯

『山上宗二記』(高野山安養院宛本)

 やまのうえのそうじき  こうやさんあんよういんあてぼん

山上宗二著 天正16年(1588)奥書 写本・1巻 齋田記念館蔵

 千利休の愛弟子の山上宗二(1544-1590)が、茶の湯の初心者のために記した茶の湯の秘伝書。その大半が名物茶道具の目録で、『茶器名物集』という別名もある。『山上宗二記』は、山上宗二が豊臣秀吉の勘気を蒙り、高野山にこもっていた時に記されたもの。諸本あるが、齋田記念館蔵の巻子本は、天正16年(1588)正月21日付の高野山安養院宛本。もとより山上宗二の自筆ではないが、貴重な写本の一つ。
 本展では、『山上宗二記』に記された千利休の時代の名物と、松平不昧の『古今名物類聚』や『雲州蔵帳』等に記された名物へと、その価値観の変遷も、お楽しみいただきます。

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