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花島礼讃

齋田記念館 開館20周年記念特別展 
渡邊省亭没後100年

花 鳥 礼 讃

―渡邊省亭・水巴 父と子、絵画と俳句の共演―
In Praise of Birds & Flowers – Seitei’s Painting & Suiha’s Haiku-

2018年4月2日(月)~7月28日(土)

前期:4月2日(月)~5月26日(土)
後期:6月4日(月)~7月28日(土)

*渡邊省亭の作品は、前・後期で全て展示替えいたします。

休館日/土曜〔但し第四土曜日4/28、5/26、6/23、7/28は開館〕、
日曜、祝日、展示替え期間〔5/27(日)~6/3(日)〕
開館時間/午前10時〜午後4時30分(入館は4時まで)
入館料/500円 *会期中再度のご来館は、半券のご提示で
100円引きとなります。
会場/齋田記念館 展示室
協力/公益社団法人 俳人協会
 2018年、齋田記念館は開館20周年を迎えますが、時を同じくして、当館で多くの絵画を所蔵する画家・渡邊省亭の没後100年でもあります。省亭の命日は4月2日、花鳥画に秀でたことにちなんで「花鳥忌」と呼ばれますが、当館では、この日より渡邊省亭の絵画とその息子・水巴の俳句をテーマに特別展を開催し、当館の秘蔵コレクションを一挙公開いたします。
 渡邊省亭(1851~1918)は、幕末明治の歴史画家・菊池容斎に学びましたが、自身は花鳥画を得意として、1878年のパリ万博に際し、日本画家として初めて西欧に渡り、日本画に西洋の写実表現を取り入れ、独自の画風を築き上げました。一方、息子の水巴(1882~1946)は、俳句を志し、内藤鳴雪や高濱虚子に学び、のちに自ら俳誌『曲水』を創刊、主宰しました。水巴の句は、父の描く絵画の世界を詠じたかのような花鳥の描写や江戸情緒にあふれています。二人の芸術は、表現の形式こそ違いますが、ともに瀟洒で粋、ときに唯美的な独特の美の世界を湛えています。
 本展では、当館所蔵の省亭や水巴の作品に加えて、公益社団法人俳人協会ご所蔵の水巴の作品や資料等も出品いたします。省亭と水巴、父と子の絵画と俳句の共演をお楽しみいただけましたら幸いでございます。

■主な出品作品

出品リストのダウンロードはこちらから→
花島礼讃

渡邊省亭筆

銀杏群鳩之図・月夜杉木菟之図

いちょうぐんきゅうのず・げつやすぎみみずくのず

明治41年(1908)/絹本着色・双幅/各129.0×50.8㎝

 秋の夕暮れ、銀杏の木の下に集まる鳩の群れと、月夜に杉の木にとまる木菟を描いた双幅。銀杏の葉のはらはらと散る瞬間や、数羽の鳩の姿態の変化を描き出し、特に後向きの鳩の背の青い色彩が幽玄の美しさを湛える。一方、月夜の木菟は、漆黒の中に木菟のみが色彩を与えられ、鋭い眼光でこちらを見つめる。
 本作の鳩や銀杏は、『省亭花鳥画譜』(大倉書店 明治23~24年刊行)の「群鳩に蔦」や「銀杏」、「迎賓館七宝額下絵」(東京国立博物館蔵/明治39年頃)の「鳩」の表現とも近く、丹念に描き込まれた完成度の高い作品である。箱書に、明治41年4月の作とある。 

(前期出品)
花島礼讃

渡邊水巴筆

俳画軸 西瓜

明治〜昭和時代/紙本着色・1幅/129.5×29.6㎝

 自詠の句「行水の灯に飛ぶ淋し草の蝶」に、半月に切った西瓜に茄子と蟋蟀(こおろぎ)を描く。水巴は俳人であるが、省亭の子として画に対する確かな見識をもっていたことは、彼の文中にも明らかで、その画才は本の装幀などにも発揮された。特に西瓜を描くことについて、以下の一文がある。「木版刷師の名人吉田市松さんが、「先生のやうには、どうしても紅い色が出ません」と云つた。すると私の父は「紅い色を強く出すのは幾ら濃くしたつて駄目だよ。墨を差すんだ。墨を……」と教へた。そこで市松さんが其の通りやつてみると、果たして紅い色が強くなつた。(中略)私が半月形に切つた西瓜を畫にしやうとした時、その鮮明な紅い色がどうしても思ふやうに現わせなかつたところ、ひよいとしたはずみから點々と黒い種を入れたら、見違へるやうな紅い色になつたので、ハゝアと思ったことがある。・・・」(「花を語る」昭和14年3月)すなわち、本図の西瓜のみずみずしい表現は、水巴の試行錯誤の産物である。
 この句は、水巴が俳句を志して8年を経た明治41年、水巴27歳の句。夏の暮方、行水のために灯をともすと、草叢に飛ぶ蝶の陰影が映し出された。秋近く弱弱しく飛ぶ蝶が、哀愁を誘う。行水という日本の伝統的風俗に晩夏の季節感漂う瀟洒な一幅。

(後期出品)

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